内館牧子 『終わった人』 ブックレビュ~~~♪

ここのところ 私は 鶴の間で夫の還暦マフラーを織りながら・・・・・

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移動時間等は
相撲大好きおばちゃん:内館牧子さんの書いた「終わった人」を読んでいた

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スバラシイ相乗効果!?かき氷を食べながらお化け屋敷に入ってるみたいだ(笑)

表紙を見た時
昔、職場で定年退職で花束を抱えていらっしゃる方に
「おめでとうございます」でいいんだろうか?とボ~っと考えたコトを思い出した


『定年って生前葬だな』の一文から始まるこの小説

東大法学部卒でメガバンク役員手前まで行った男性が主人公なので
我が夫とは比べようもないのだけれど(笑)

地方出身(主人公は岩手県)で会社人間!となれば共通点も多い 
つまりこの本は私の予習なのダ


物語の中 何度も出てくる
良寛和尚の「残る桜も散る桜」が 心にしみる~~~

主人公の故郷の賢治や啄木なんかも出て来て楽しい
(岩手県ではホントに賢治派・啄木派なんて言うの? 私は啄木派かな~)

折にふれて、主人公は啄木の短歌にウルウルするが
26歳で亡くなった啄木の歌に ジーちゃんな主人公がジーンとするわけで
やっぱり啄木は定年のない天才なのね~と思わずにいられない

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内館さんは あとがきの中で 次のように書く

「若い頃に秀才であろうとなかろうと、
 美人であろうとなかろうと、
 一流企業に勤務しようとしまいと、
 人間の着地点って大差ないのね・・・・」

「着地点に至るまでの人生は、
 学歴や資質や数々の運などにも影響され、格差や損得があるだろう。
 だが、社会的に『終わった人』になると、同じである。横一列だ。
 本書の主人公のように、着地点に至るまでの人生が恵まれていれば、
 かえって「横一列」を受け入れられない不幸もある」

なんだか響く。。。
山も人生も高く登れば登るほど 下りるのが大変なんだろう

それにしても「終わった人」とは凄いタイトルだ

ちと残酷かとも思ったが夫に「読む?」と聞いてみると
「そんなモン読んでる暇があるかぁ~~っ! 
 俺は読まなきゃならんモンがい~っぱいあるんダっ!」
と一喝された
あぁ この一所懸命さが コワい
たとえ高い山じゃなくとも、現役が充実している人ほど着地って難しそうなんだモ~ン

小説の結末と我が夫婦の行末が・・・不吉にも重なる (ーー;).。oO



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by noshinoshishinoch | 2016-09-13 09:49 | 本・舞台・映画レビュー | Comments(0)

人にはモノを作る☆本能があるのかも・・・


by noshinoshishinoch
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