伊万里磁器探訪旅行 波佐見編
2015年 06月 09日
3日目行程
伊万里グランドホテル8:30→大川内山→波佐見→長崎空港18:55→羽田20:40
有田焼は有名ですが 波佐見焼もご存知でしょうか?
例えばこんなの
新しいところだと白山陶器のこんなの
ちょっと乱暴?に説明すると
有田が高級志向だとすると 波佐見は庶民派
バンバン作ってドンドン売る!のが信条です
この方針は江戸の昔からで、
山の斜面を利用した登り窯は100メートルを超え
昔から磁器の大量生産をしてきた地域です。
骨董の世界では特に くらわんか碗 コンプラ瓶が有名
くらわんか碗
この小舟が「くらわんか~!」と叫びながら商いをしていたのが、その由来です。
手荒く扱っても大丈夫な様に厚手に出来ています。
また、大量に作るため、絵付けも流れるような筆さばき~♪
コンプラ瓶
機能を追求した結果、超~シンプルデザイン!
波佐見のくらわんか碗の模様は生き生きと躍動し、何とも言えぬ愛嬌があります。
厚みは重みとなり、温かさを感じさせるのです。
計算されてない、巧まざる器であることが、くらわんか碗の大きな魅力・・・
午前中訪れた鍋島焼・大川内山の計算に計算を重ねた技巧の器と真逆です。
私はこっちの方が・・・・好きかも・・・
そんな焼き物の里 波佐見町を
今回は教育委員会の中野さんの案内で見学させて頂きました。
先ずは 古窯跡のある中尾地区を高台から眺めます
煙突の向こうに見える階段みたいなのが、世界第2位の巨大登窯「中尾上登窯跡」
火が入っていた時はどんな感じだったのでしょう。
窯には火力が出る、赤松の薪を使います。
今、杉が目立ちますが、コレは戦後の植林政策のせいで、それ以前は赤松だらけの山、
マツタケも当たり前の食べ物だったそうです。
その後 石炭→重油→ガス と燃料は変遷して行きます。
もしかすると・・・結構 煙がひどかったかも・・・・
高台に立つ石碑にはくらわんか碗の破片も使われていました。
永尾地区の知惠治窯跡
分業で行われていた当時の窯業、一番偉かったのは「窯炊き職人」だったんだそうです。
それほど温度管理は難しく、薪の投げ入れ一つも技が必要。
もし失敗したら、すべてが水の泡になってしまう訳ですからね・・・
村木地区の畑ノ原窯跡を見学
熱心な皆さん 質問がとまりません。
「登り窯っていうのはどういう場所に作ったんですか~?」
の質問に、中野さんが
「・・斜面の傾斜角もありますが・・・吹上の風が吹く斜面でないと~・・・」
と説明している最中に気持ちよい風が私達に吹き上げて来ました。
おおおぉぉ なるほど・・・こういうことか・・・ 風が答えてくれたかのようで妙に感動
(人´∀`o) 400年前、ここに窯を築いた職人たちの思いに心が飛ぶのでした。
ここで発掘された江戸初期の「砂目積み灰釉溝縁陶器皿」や
「染付型打皿」も見せて(触らせて)頂きました。
見学の途中で寄った四季舎のランチは忘れられません
古い建物の間を通って~ レストランに向かいます
NPO法人グリーンクラフトツーリズムが運営する「文化の陶 四季舎」
窯元の煙突が立ち並ぶ町並みを一望できる そりゃ~気持ちイイ所でした
地元の婦人たちの手で作られた心こもった家庭料理が待っていましたよ♪
地元の新鮮野菜たっぷり! 長崎名物「大村寿司」などを盛り合わせたランチです
茶色いのはデザート?の「つきあげ」
さつまいもを蒸して潰して揚げた地元のお菓子です。
野菜だけの出汁で味わう「ダゴ汁」
野菜がいっぱい入っているので魚系の出汁が無くても美味しい!
器も素敵だったな~♪
「ここは、五人も子供がいたんだけど、誰もあとを継がなかったんで、廃屋同然になっていたんだよ・・・」~と この工場をみんなでリノベーションした話を聞きながら頂きました<(_ _)>
焼き窯はなんとピザ窯に変身させられていて、
地元の小麦と野菜を使ったピザ焼き体験が出来るみたいです。
そりゃー火力に問題ないよね。
大は小を兼ねる!
ここでのランチが もしかすると今回最高の思い出かな。
波佐見をもって今回の2泊3日 古陶磁ツアーは終了
なんだか波佐見が好きになっちゃった~
(学芸員の中野さんのお人柄の影響大!です)
「次回は、波佐見のお祭に合わせて来て~
柴田コレクションを見て~
唐津に行きたいよね~」
とTさんと夢を語った旅の終わりでした。
by noshinoshishinoch
| 2015-06-09 05:17
| 日本骨董学院の旅
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